梁婷玉的茶視野 Chloe’s Tea World
前回(Vol.9)、前々回(vol.10)と龍井茶についてご紹介してきました。
各記事の中で、龍井茶の製法について下記のように記載しました。
*基本工艺: 采摘-鲜叶摊放-杀青-回潮-辉锅-分筛-挺长头-归堆-收灰
今回はこの製法の各項目についてご説明しますので、ぜひ皆様の勉強のご参考にして下さいね。
[0]采摘 (茶摘み)
西湖龙井采摘按照等级的不同而采一芽一叶至一芽三叶。
[0] 采摘 (茶摘み)
西湖龍井茶は等級によって一芯一葉から一芯三葉で摘まれます。
[1] 鲜叶摊放
鲜叶摊放的主要目的是使鲜叶轻微萎凋,使部分水分挥发、散发青草气、增进茶香、减少苦涩味、叶子柔软利于做形等。
做法一般是将采回的鲜叶在室内进行薄摊,厚度为1厘米左右,经2小时以上摊放。
[1] 鲜叶摊放
摘んだばかりの茶葉を広げておく工程です。この工程の主な目的は、茶葉を少しだけ萎凋させ、一部水分を蒸発させ、青い草のような香りを揮発させ、お茶の香りを高め、苦味渋味を軽減し、茶葉を柔らかくし、形を作りやすくする等の為です。
方法は、摘みたての茶葉を室内で1cmほどの厚さに薄く広げて、2時間以上おきます。
[2] 杀青(又称青锅):
杀青的主要目的是利用高温让鲜叶中的酶失去活性,散发水分。通过炒制手法的不断变换,使鲜叶原料中的青草气散去,茶的色泽和形状基本成形,茶的含水量由原先的75%左右降低到25%—30%。
[2] 殺青(別名:青鍋):
殺青の主な目的は、高温で茶葉の中の酵素の活動を止め、水分を蒸発させる為です。途切れることなく鍋の中で炒め続けることで、茶葉の中にある青い草のような香りを取り去り、茶葉の色や形を整えていきます。最初は75%程度の茶葉の水分を25%〜30%まで下げていきます。
[3]回潮:
杀青后,放于阴凉处进行薄摊回潮,目的是使叶子的表里水分重新达到均衡,减少断碎、保持芽锋,有利于成品茶色泽和干度一致。一般历时约40~60分钟。
[3] 回潮:
殺青の後、茶葉を日陰の涼しい所に薄く広げもう一度水分を戻します。この作業の目的は、茶葉の表面の水分バランスを調整し、茶葉が砕けてしまうのを防ぎ、芽の先の形を保ち、茶葉の色艶と乾燥度合を同じように仕上げる為です。通常は約40〜60分かかります。
[4]辉锅:
辉锅目的是进一步降低茶叶中的水分,整理茶叶的外形。一般温度控制在摄氏50—70度即可,不同地方、不同炒茶师傅的控温不同。这时的龙井茶色泽在青锅时已打下基础,而辉锅时通过不同手法的变换,炒至“扁平光滑”的形状要求。这时,西湖龙井茶的内质也进一步升华,并使茶叶含水量降到6—7%,利于保存。
[4] 辉锅:
「辉锅」の目的は、(再度釜炒りすることで)茶葉の水分をさらに減少させ、茶葉の外観を整えることです。一般的に、50〜70℃で行われますが、作られる場所や茶師によって異なります。殺青により基本的に茶葉は形作られていますが、辉锅の工程では様々な手法を用いて「平らでなめらかに輝く」茶葉に仕上げていきます。このとき、西湖龍井茶の内部の質もさらに良くなり、茶葉の水分量は6〜7%に減少します。これで保存が効くようになります。
[5]分筛:
用筛子把茶叶分筛。簸去黄片,筛去茶末,使成品大小均匀。
用等级不同孔径的茶筛分出3~4档不同茶。一般分三档,最长一档次的叫“长头”、“筛头”;二档称“中筛”;三档的称为“三筛”或“底筛”。
[5] 分筛:
ふるいを使って茶葉をふりわけます。ふるいをゆすって黄色い茶葉や、茶葉の屑を取り除き、出来上がりの大きさを均一に仕上げます。
網目のサイズが異なるふるいを用いて、大きさによって3~4種類の茶葉に分けていきます。一般的には三つの種類に分けられ、最も大きな茶葉は「長頭」もしくは「篩頭」、二番目の大きさの茶葉は「中篩」、三番目はは「三篩」または「底篩」と呼ばれます。
[6]挺长头:
经过分筛后,还要根据不同档次情况分别再辉锅复炒,称为“挺长头”。
把筛出的大一点的茶叶再一次放入锅中,将其挺直,一般历时约5~10分钟。目的是进一步整形、达到干燥程度和色泽的统一。高级别茶中要挺“长头(筛头)”,中、下级别的茶一般“中筛”茶也要挺,“三筛(底筛)”基本不挺。
挺长头以后,再摊晾、复筛,这样逐步使茶整齐,只筛分出很小部分特别大的和底筛的片末,此时,剩下的中筛成品茶的品相就更统一美观了。
[6] 挺长头:
ふるいにかけた後、等級に応じて再度「辉锅」を行う必要があり、その工程を「挺长头」と呼んでいます。
ふるいにかけた茶葉を再び鍋に入れ、まっすぐにのばしていきます。通常は5〜10分かかります。目的は、さらに形を整え、乾燥度合と色を均一にする為です。高級茶である「长头(筛头)」にはこの工程は必要です。中・低級茶である「中筛」にも一般的には必要ですが、「三筛(底筛)」には必要ありません。
挺长头の後、再度涼しい所に茶葉を広げ、もう一度ふるいにかけます。このようにして、茶葉を徐々に整えていきます。特に大きなものや小さすぎるもの、またふるい底に残った粉末などを分別します。この工程の後にふるいに残った完成品のお茶は、さらに洗練されて形も均一で美しいものになります。
[7]归堆:
把各级各筛号茶按同级筛号的归在一起,并分别标示清楚,如加工日期、等级、茶数量等信息。
一般多是连续几日炒制后,将同一等级的茶归堆后的干茶拌均匀,“匀堆”后才是炒制完成的成品茶。
[7] 归堆:
各種サイズのふるいにかけて分けた茶葉を同じ等級毎にまとめて、加工日時、等級、数量などの情報をそれぞれにはっきりと表記します。
一般的に、多くの場合、数日かけて茶葉を焙煎した後、等級毎に集めて均等に混ぜ合わせて乾燥させる「匀堆(茶葉を積み上げ保管する)」という工程を経て、炒めて作られるお茶が完成します。
[8]收灰:
炒制好的西湖龙井极易受潮变质,须将归堆后的成品茶,放入底层铺有块状石灰(未吸潮风化的石灰)的贮存缸或铁桶内,把生石灰用棉纸、牛皮纸两层包住,外面再套上棉布袋,放于贮存缸或铁桶中间,加盖密封封存7-10天,称为“收灰”。
收灰的目的是保持龙井茶的干燥,去掉火气。而经过此阶段后,茶品质滋味会有明显的改善和提升。
[8] 收灰:
釜炒りで作られた良い西湖龍井茶は湿度の影響を受けやすく、極めて変質しやすいので、出来上がったお茶は、底に石灰(湿度を吸収しておらず、風化していない石灰)を敷き詰めた貯蔵タンクまたは鉄製のドラム缶に入れておきます。さらに生石灰をコットンペーパーやクラフト紙で二重に包み外側を綿の袋で覆ったものを、貯蔵タンクまたは鉄製のドラム缶に入れた茶葉の真ん中に入れます。その後、密閉し7-10日間保存します。この工程は「収灰」と呼ばれています。
「收灰」の目的は龍井茶を乾燥した状態に保ち、火の気を消すことにあります。こうしておくことで、お茶の品質と味もとても良くなります。
梁婷玉老師
中国国際茶文化研究会 執務室副主任であり茶藝師の審査員でもある梁婷玉老師。
中国国際茶文化研究会のメンバーとして、国際的に活躍し、世界中の中国茶愛好家とネットワークを繋いでいます。
2020年からこちらのコーナーで、彼女が見ている現地の中国茶情報を配信してくれることになりました。
梁婷玉老師は、私たち中国茶アドバイザー/インストラクターの活動に長年協力してくれている大切な茶友です。
お楽しみに。
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