Vol.41 季節の変化と中国茶市場の新たな動向
梁婷玉的茶視野 Chloe’s Tea World
Vol.41 季节变化与市场新动向


■暖冬催茶早
2026年春天的大地,气温前期偏高,中后期偏低,春茶开采时间因此出现分化,呈“前早后迟”的节奏。
从南到北,各地茶区依次展开。
海南、广西、浙江、四川、贵州、湖南、重庆等地率先起步;
随后,江西、江苏、湖北、广东陆续进入采摘期;
安徽、福建、河南、陕西等产区,也逐渐跟上春的步伐。
■ 暖冬が春茶の時期を早めた2026年
2026年の春は、前半は気温が高く、後半は低めに推移しました。そのため春茶の摘採時期は地域によって差が生まれ、「前半は早く、後半は遅れる」という特徴的な流れとなりました。中国南部から北部へ向かって、各地の茶産地は順次春茶シーズンを迎えました。
まず海南省、広西省、浙江省、四川省、貴州省、湖南省、重慶市などで収穫が始まり、その後、江西省、江蘇省、湖北省、広東省へと広がり、さらに安徽省、福建省、河南省、陝西省
なども春の訪れとともに摘採期に入りました
从时间上看,今年的“早”,格外明显:
今年は例年以上に「早い春」が際立ちました。
海南:自2025年12月21日已开始采摘,采期持续至2026年4月
广西:1月1日“早春第一茶”启动,早春茶开采面积达56.5万亩,近3年保持13%以上增长
贵州:1月1日,黔西南州普安县开启“早茶”采摘
四川:1月15日,宜宾江安茶园开园
重庆:2月19日(正月初三),永川花果山茶园进入采摘期,为近十年最早
浙江:2月21日,永嘉“乌牛早”正式开采
湖北:2月24日,恩施利川春茶采摘季开启
这一条时间线,比往年更早,也更密集。
海南省:2025年12月21日にすでに摘採開始。収穫は2026年4月まで続く。
広西省:1月1日に「早春第一茶」の収穫開始。早春茶の栽培面積は56.5万ムーに達し、過去3年間は毎年13%以上の成長を維持。
貴州省:1月1日、黔西南州・普安県で「早茶」の摘採開始。
四川省:1月15日、宜賓市江安県の茶園が開園。
重慶市:2月19日(旧正月3日)、永川区花果山茶園が摘採開始。過去10年間で最も早いスタート。
浙江省:2月21日、永嘉県で「烏牛早(ウーニョウザオ)」の摘採開始。
湖北省:2月24日、恩施州利川市で春茶シーズンが始まる。今年の収穫開始時期は、例年よりも早く、各地で立て続けにスタートしました。


■观测:
今年的春茶季,气氛略有不同。
按理说,这是一年中最重要的时段。
但在整体市场偏弱的背景下,价格出现了不小的回落。
根据相关统计,鲜叶价格整体下降约15%–20%。
部分地区甚至出现“有茶不敢采”的情况。
并非减产,而是销量压力之下,因采摘成本难以覆盖而放弃。
■ 観測
今年の春茶シーズンは、例年とは少し異なる雰囲気が見られました。
本来であれば、一年で最も重要な販売シーズンです。
しかし、茶市場全体が低調な状況にある中、価格は大きく下落しました。
統計によると、生葉価格は全体で約15~20%下落しています。
一部地域では「茶葉はあるのに摘採しない」という現象まで見られました。
これは収穫量が少ないためではありません。
販売不振により、摘採コストを回収できず、収穫そのものを断念するケースが増えたためです。

与此同时,也出现了明显分化:
大众茶价格普遍走低,而核心产区的高端茶,依然相对稳定。
从数据来看,2026年1–3月春茶总产量约138万吨,同比增长3.2%;
其中绿茶约60万吨。
■思考
暖冬,让茶更早进入市场。
但市场本身,并没有变得更轻松。
于是,各地都在“赶早”。
带来的是阶段性的集中上市。
节奏被压缩,供给在短时间内被放大。
某种程度上,给茶农茶商带来了不小压力。
——这并不是只发生在今年。
一方で、市場の二極化も鮮明になっています。
一般向け茶葉の価格は大きく下落した一方、主要産地の高級茶は比較的価格を維持しています。データを見ると、2026年1~3月の春茶総生産量は約138万トンで、前年同期比3.2%増加しました。そのうち緑茶は約60万トンを占めています。
■ 考察
暖冬によって、春茶は例年よりも早く市場へ出回りました。
しかし、市場環境そのものが好転したわけではありません。
その結果、各産地は一斉に「早出し」を競うようになりました。
短期間に大量の新茶が市場へ集中し、供給が急増したことで、茶農家や茶商には少なからぬ負担がかかっています。
しかし、この現象は今年だけのものではありません。

这些年,中国茶园面积持续扩大。
而原本的消费人群,正在慢慢退出舞台。
新一代的年轻饮茶者,习惯不同了。
他们对风味、表达、个性,以及购买方式,都有自己的偏好。
和上一代,已经不太一样。
近年、中国では茶園面積が拡大し続けています。
一方で、これまで茶市場を支えてきた消費者層は、徐々に市場から離れつつあります。
新しい世代の消費者は、味わい、ブランドの伝え方、個性、購入方法などにおいて、これまでとは異なる価値観を持っています。
しかし、生産現場では依然として従来型の栽培方法や製茶方法が多く残っています。
時代は進んでいるにもかかわらず、生産の仕組みが十分に変化できていないことが、市場の変化とのギャップを生み、その影響が次第に大きくなっています。


但在生产端,
仍有不少地方沿用着过去的方式去种茶、做茶。
时间往前走了,方式却没有完全跟上。
于是,冲击也变得明显。
——
而这两年,抹茶的风靡,反而提供了另一种可能。
它走了一条不太一样的路径——
规模化、品牌化、工业化,以及更清晰的渠道表达。
某种意义上,它不只是“茶”,
更像是一种被重新设计过的产品。
一方、この数年の抹茶ブームは、新たな可能性を示しています。
抹茶は従来の茶葉とは異なる道を歩んできました。
大量生産、ブランド化、工業化、そして明確な販売チャネルなどがあり、ある意味では、単なる「お茶」ではなく、新たに設計された商品と言えるかもしれません。

新茶饮也是如此。
通过改变供给方式,去创造新的消费场景,
慢慢接近新一代的饮茶人。
这些变化,也许还在路上。
但方向,已经开始显现。
■茶生活瞬间
今年的西湖龙井茶虽说整体品质不算最好的一年,但也有幸能喝到心仪清爽的。
回到杭州让人安心。有自己的“下午茶”时间。
新しいティードリンク市場(新茶飲)も同様です。
供給方法を変え、新しい飲用シーンを生み出すことで、若い世代の消費者との距離を少しずつ縮めています。
こうした変化は、まだ発展途上ではありますが、進むべき方向性は、すでにはっきりと見え始めています。
■ 茶のある暮らしのひととき
今年の西湖龍井は、全体としては最高品質の年とは言えませんでしたが、それでも爽やかで好みに合う一杯に出会うことができました。杭州へ戻ると、心が自然と落ち着きます。
ここでは、自分だけの「午後のお茶時間」を楽しんでいます。



闲暇时与同事们分享白鹤峰和胡公庙的西湖龙井,
以一盏清茶,安顿日常琐碎。
一芽一叶,皆承西湖山水的温润,茶汤清和鲜爽,豆香雅韵绵长。
于方寸茶盏之间,褪去工作疲惫。
感受江南春日独有的静谧与悠然,便是平凡日子里最好的治愈。
仕事の合間には、同僚たちと白鶴峰や胡公廟産の西湖龍井を分かち合い、
一杯の清茶とともに、日々の忙しさを静かに整えます。
一芽一葉には、西湖の山水が育んだ穏やかな風土が宿り、
澄んだ茶湯は爽やかな旨みと、やさしい豆のような香りを長く残します。
小さな茶碗の中で仕事の疲れがほどけ、江南の春ならではの静けさと穏やかな時間を味わうことができます。そんな何気ないひとときこそ、日常を癒やしてくれる最高の贈り物なのかもしれません。
希望明年也能再次品尝到新茶。
来年になったらまた新しいお茶を飲めますようにと思います。
附:一些2025年的值得思考的数据:
一|茶园面积
- 全国茶园面积:5312.26万亩
- 主要产区(从大到小排序):云南、贵州、四川、湖北
二|产量情况
- 全国干毛茶总产量:364.03万吨
- 福建:约55万吨,唯一突破50万吨的省份
- 贵州:不足40万吨,被福建、四川、湖北反超,位列第五
三|产值情况
- 全国干毛茶总产值:3331.94亿元
- 贵州:该指标全国第一
四|进出口情况
- 出口量:41.88万吨,同比增长11.95%(全球第二)
- 浙江:18.53万吨,占全国44.2%,出口量与出口额均居首(5.6亿美元)
- 出口结构:绿茶占88.11%(量)、80.40%(额),红茶居次
- 进口量:6.10万吨,进口额1.85亿美元,均价3.04美元/千克
- 进口结构:红茶占比约80%,绿茶、乌龙茶分列其后
五|国内市场
- 传统茶内销总量:237.77万吨
- 内销总额:3099.34亿元
六|新茶饮发展
- 市场规模:突破3000亿元
- 品牌数量:超过4000个
- 门店数量:超过40万家
七|六大茶类占比(产量)
- 绿茶 59.03%
- 红茶 15.65%
- 黑茶 12.26%
- 乌龙茶 9.61%
- 白茶 2.75%
- 黄茶 0.70%
八|六大茶类占比(产值)
- 绿茶 62.67%
- 红茶 17.81%
- 黑茶 8.75%
- 乌龙茶 8.11%
- 白茶 2.03%
- 黄茶 0.63%
参考:2025年の中国茶業界データ
1.茶園面積
全国茶園面積:約5,312万ムー
主な産地(面積順):雲南省、貴州省、四川省、湖北省
2.生産量
全国の荒茶生産量:364.03万トン
福建省:約55万トン(全国で唯一50万トンを超える)
貴州省:約40万トン弱で、福建・四川・湖北に次ぐ全国第5位
3.生産額
全国荒茶生産額:3,331.94億元
貴州省は全国第1位
4.輸出入
輸出
輸出量:41.88万トン(前年比11.95%増、世界第2位)
浙江省:18.53万トン(全国の44.2%)、輸出量・輸出額とも全国首位(5.6億米ドル)
輸出構成:緑茶88.11%(数量ベース)、80.40%(金額ベース)、次いで紅茶
輸入
輸入量:6.10万トン
輸入額:1.85億米ドル
平均輸入価格:3.04米ドル/kg
輸入構成:紅茶約80%、次いで緑茶、烏龍茶
5.国内市場
伝統茶の国内販売量:237.77万トン
国内販売額:3,099.34億元
6.新茶飲市場
市場規模:3,000億元突破
ブランド数:4,000ブランド以上
店舗数:40万店舗以上
7.六大茶類の生産比率
緑茶:59.03%
紅茶:15.65%
黒茶:12.26%
烏龍茶:9.61%
白茶:2.75%
黄茶:0.70%
8.六大茶類の生産額比率
緑茶:62.67%
紅茶:17.81%
黒茶:8.75%
烏龍茶:8.11%
白茶:2.03%
黄茶:0.63%
梁婷玉老師

梁婷玉 Chloe Liang
中国国际茶文化研究会 宣传部副部长
浙江华韵职业技术学校 副校长
国家一级评茶师
国家一级茶艺师
茶艺师高级考评员
评茶员考评员
中国国際茶文化研究会の宣伝部副部長として、国際的に活躍し、世界中の中国茶愛好家とネットワークを繋いでいます。2020年から、このコーナーで彼女が見ている中国茶の情報を配信して頂いています。
梁婷玉老師は、私たち中国茶指導・老師の活動に長年協力してくれている大切な茶友です。
Instagram : chloe_216